酒飲み親父の自分史 「昔ロックしてた俺へ」

酒飲み親父が昔の手帳を見て半生を振り返るブログ

バスドラムの足 ~1985年2月その1~

f:id:sakenomi_oyaji:20200607053940j:plain

新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・

昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。

あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。

さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。

1985年、私は大学4年生だった。大学ではジャズ研究会、それと同時に新宿でバンド活動をしていたのだ。
この頃は新宿LのPLMと言うバンドに参加していた。

1985年 2月 5日 18:00~21:00 御苑スタジオ
新宿の音楽スタジオだ。
ん?あああ思い出した。時を戻そう。

アマチュアミュージシャンにとって負担となるのは、練習スタジオ代だろう。
安いスタジオで練習したいと思うのは当然だ。
幸い俺は、大学ではサークル棟、新宿Lでは閉店後にタダで練習出来た。
タダに慣れると、ダラダラしたり、来ない奴も出てくる。
だが、貸しスタジオの場合は別である。
お金を払っているから真剣になる。
そして、貸しスタジオを選ぶ場合は、置いてある機材も重要になってくる。

普通の貸しスタジオには、パールかヤマハかタマか、国産ドラムが置いてある。
しかし、ドラマーにとって憧れは外国製ドラムなのだ。
高くて手の出ない外国製ドラムを叩いてみたい。

御苑スタジオは、新宿と新宿三丁目の中間にあった。
駅からは遠い。
だが、ここにはあの「ラディック」があるのだ。
ジョンボーナム、ロジャーテイラー、カールパーマー、アランホワイト、数えたらきりがない。
ロックドラマーはラディックなのである。

スタジオの入ると噂通りラディックが置いてある。
青い色の貼り胴だ。
ドラムは塗り胴と貼り胴の2種類がある。
貼り胴は、両面テープで薄い下敷きの様なプラスチックを胴の外側に貼っている。
このプラスチックを「セル」と言う。
塗り胴は木で出来た胴に塗料を塗ってラッカーで仕上げる。
木目が美しい。
高いのは塗り胴だが、貼り胴は「セル」を貼りかえる事により色を変える事が出来る。
俺のプレジデントの10インチタムタムは、機材車に乗せっぱなしだったので太陽光で「セル」が浮いてきてしまった。
小さいタムタム程、曲げる力が強くなるので、「セル」が浮きやすくなるのだ。
また、プレジデントの胴が木ではなく、ファイバー製だったのも原因の一つだろう。
高温のせいで、両面テープが溶けてしまった様だ。
自分で同じクロームメタルの「セル」を買ってきて貼り換えた。
全部の金具を一度外して「セル」を巻くのだ。
「セル」にネジの穴を開けるのが結構面倒臭かった。

さて、御苑スタジオに話を戻そう。
ドラムの後ろに回り込み、セッティングを始める。
すると。
タムタムが良い位置に来ない。
そもそも、タムタムホルダーの動きの自由度が少ない。
他の日本のメーカーのタムタムホルダーの方が金具がしっかりして使いやすい。
ヤマハ、パール共にタムタムに横から突き刺すようになっていて、角度調整もしやすい。
ほぼ思った位置にくるのだ。

さらに、ラディックは、タムタムを金具の上から挿すタイプなので、ネジを強く締めないと下に落ちてくる。
よくこんなので熊のようなジョンボーナムの力に耐えられたものだ。

しかし、音は良い。
ラディックという名前のせいだろうか・・・
スチールスネアは抜群だ。
カンカン音でいい感じだ。
5インチのスネアだったのでイアンペイスみたいだ。
スチールスネアを買うならラディックが欲しいと思った。

練習を終えて一番思った事は、タムホルダーなどの金具は国産の方が使いやすいという事だ。

しかし、国産でも安いドラムは足がしっかりしていない。
だんだんと、前に進んでいってしまう。
叩いているうちに足が届かなくなる程、前に歩いて行くのだ。
俺が初めに買ったドラムはパールのサンダーキング。
色はヘアラインシルバー。
しょぼい足がこの真横に生えていた。
演奏していると、やはり前に進んでいってしまう。
この足は「抜いちゃう型」だ。しまう時には足を抜いちゃうのだ。

そこで、サンダーキングに高級品用のパーツを買って、バスドラムに斜め前に伸びる足を付けた。
バスドラムにネジが通る穴を4つ開けて、内側からネジで止めるだけだ。

バスドラム本体から斜めに美しく生えている。
足を変えるだけで全然違った。
機能的で、ひねるとゴム足からスパイクが出てくる。
床によってゴムと鉄を使い分ける仕組みだ。
運ぶ時は斜め前に生えていた足が胴体脇に折りたたまれて収納される。
言わば「折り畳み型」だ。

俺が次に買ったのは、パールプレジデント。
色はクロームメタルだった。
プレジデントには初めから斜めに高級品の足が生えていた。
美しい。
好きな足だ。
これも、「折り畳み型」だった。

もう一つ、足の収納法がある。
「抱きかかえ型」である。
この型は、最後に買ったソナーで知った。

[rakuten:ishibashi-shops:10832073:detail]

内側に曲げられて、バスドラムの胴を抱きかかえる様にたたまれる。
お腹が痛い子供の様でかわいい。

ちなみに足の事を正式には、バスドラム・スパーと言う。

俺は足フェチなのかも知れない。


ーつづくー